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民法

民法等の一部を改正する法律

2024-03-312024-04-01
本則 17 条が変更+3 追加~14 変更附則 5
e-Gov法令検索で原文を見る open_in_new
description改正の概要

女性の再婚禁止期間の廃止と嫡出推定・否認制度の見直し

女性が離婚後すぐに再婚できなかった「再婚禁止期間」の規定が廃止されました。また、婚姻中に生まれた子を夫の子と推定する「嫡出推定」の仕組みが見直され、再婚後に生まれた子は原則として再婚後の夫の子と推定されるようになりました。あわせて、これまで夫だけが行使できた「嫡出否認権」(自分の子ではないと主張する権利)を、子・母・前夫も行使できるように拡大し、行使できる期間も1年から3年に延長されました。認知の無効を主張できる期間にも新たに制限が設けられました。これらの改正は、婚姻や出産をめぐる家族関係の実態に合わせて民法の規定を整理するものです。

主な変更点

再婚禁止期間の廃止

女性が前の婚姻の解消・取消しから100日間再婚できないとする第733条が削除されました。これに伴い、関連する第740条・第743条・第744条・第746条・第773条の条文も整理されています。

嫡出推定制度の見直し

第772条が改正され、婚姻前に懐胎した子でも婚姻後に生まれれば夫の子と推定されることになりました。また、懐胎から出生までの間に複数回婚姻していた場合は、直近の婚姻における夫の子と推定される規定が新設されました。

嫡出否認権の拡大と期間延長

第774条〜第778条の改正により、これまで夫のみが持っていた嫡出否認権が、子・母・前夫にも認められるようになりました。訴えを提起できる期間も、父の否認権について1年から3年に延長されています(第777条)。

否認権行使に伴う新設規定

第778条の2〜第778条の4が新設され、親権者がいない場合の否認権行使期間の特例、否認された場合の養育費償還義務の不発生、否認後の遺産分割における価額支払請求の扱いが定められました。

認知無効の訴えに期間制限を新設

第786条が改正され、認知に対して反対の事実を主張できる「認知の無効の訴え」について、原則として認知を知った時などから7年以内という期間制限が新たに設けられました。子については21歳に達するまで認められる特例もあります。

胎児認知と嫡出推定が重複する場合の調整

第783条が改正され、胎児認知後に子が出生した場合に嫡出推定が及ぶときは、その認知は効力を生じないこととされました。

国民生活への影響

離婚後すぐに再婚できるようになり、女性の再婚に対する制約がなくなります。また、離婚後の再婚に伴って生まれた子の父が誰であるかがより実態に即して定まりやすくなり、これまで生じていた「無戸籍」などの問題の解消につながることが期待されます。さらに、子や母、前夫も嫡出否認の訴えを起こせるようになったことで、親子関係をめぐる争いの選択肢が広がります。

改正の背景

附則の経過措置(第2条〜第6条)から、この改正が施行日を境に新旧の規定を使い分ける形で運用されることが分かり、婚姻・出産・認知をめぐる家族法制度全体の整合性を図るための改正であることがうかがえます。具体的な立法動機は条文からは読み取れません。

smart_toyこの概要はClaude AI(Anthropic社)により自動生成されています。 誤りや省略が含まれる可能性があります。正確な内容はe-Gov法令検索の原文をご確認ください。

本則の改正

17法律の中身が変わった条文

女性が離婚などで前の婚姻が終わってから再婚できるまでの期間(再婚禁止期間)を定めていた規定

AI要約

改正前は、女性は離婚や婚姻取消しの日から100日間は再婚できないと定められていましたが、妊娠していなかった場合や既に出産していた場合は例外とされていました。今回の改正でこの規定自体が削除され、女性の再婚禁止期間という制度がなくなりました。これは、生まれた子の父親を決めるルール(嫡出推定)が見直され、婚姻の重複期間があっても子の父を合理的に判断できるようになったため、再婚禁止期間を設ける必要がなくなったことによります。

第七百四十条第七百七十二条第七百七十三条
@@ -1,7 +1,2 @@
第七百三十三条
-女は、前婚の解消又は取消しの日から起算して百日を経過した後でなければ、再婚をすることができない。
-前項の規定は、次に掲げる場合には、適用しない。
- 一
- 女が前婚の解消又は取消しの時に懐胎していなかった場合
- 二
- 女が前婚の解消又は取消しの後に出産した場合
+削除

婚姻届を役所が受理する前に、法律違反がないかを確認しなければならないことを定めた条文

AI要約

改正前は「第七百三十一条から第七百三十六条まで」とまとめて引用していましたが、女性の再婚禁止期間を定めていた第七百三十三条が削除されたため、その条文番号を引用から外しました。結果として「第七百三十一条、第七百三十二条、第七百三十四条から第七百三十六条まで」という形に条文番号の列挙方法が変更されましたが、実質的にチェックする内容(婚姻の要件)自体は変わっていません。

第七百三十一条第七百三十二条第七百三十三条第七百三十四条第七百三十五条第七百三十六条第七百三十九条
@@ -1,2 +1,2 @@
第七百四十条
-婚姻の届出は、その婚姻が第七百三十一条から第七百三十六条まで及び前条第二項の規定その他の法令の規定に違反しないことを認めた後でなければ、受理することができない。
+婚姻の届出は、その婚姻が第七百三十一条、第七百三十二条、第七百三十四条から第七百三十六条まで及び前条第二項の規定その他の法令の規定に違反しないことを認めた後でなければ、受理することができない。

婚姻を取り消せるのはどのような場合かを定めた条文で、取消しの根拠となる規定を限定するもの

AI要約

改正前は「次条から第七百四十七条まで」として第744条から第747条までをまとめて取消しの根拠規定としていましたが、第746条が削除されたことに伴い、改正後は「次条、第七百四十五条及び第七百四十七条」と個別に条文番号を列挙する形に変更されました。これは実質的な内容の変更ではなく、削除された条文を除外するための表現の整理です。

第七百四十四条第七百四十五条第七百四十六条第七百四十七条
@@ -1,2 +1,2 @@
第七百四十三条
-婚姻は、次条から第七百四十七条までの規定によらなければ、取り消すことができない。
+婚姻は、次条、第七百四十五条及び第七百四十七条の規定によらなければ、取り消すことができない。

法律違反の結婚(近親婚や重婚など)を、誰が家庭裁判所に取り消してもらえるよう請求できるかを定めた条文

AI要約

以前は女性の再婚禁止期間を定めた第七百三十三条への違反も取消請求の対象でしたが、この再婚禁止期間の規定自体が削除されたため、条文中からその参照が削除されました。また、第2項では「配偶者又は前配偶者」という表現が、より明確に「前婚の配偶者」という言い方に改められています。これは、重婚(二重に結婚すること)をした場合に、前の結婚の相手が取消しを求められることを明確にする趣旨です。

第七百三十一条第七百三十二条第七百三十三条第七百三十四条第七百三十五条第七百三十六条
@@ -1,3 +1,3 @@
第七百四十四条
-第七百三十一条から第七百三十六条までの規定に違反した婚姻は、各当事者、その親族又は検察官から、その取消しを家庭裁判所に請求することができる。ただし、検察官は、当事者の一方が死亡した後は、これを請求することができない。
-第七百三十二条又は第七百三十三条の規定に違反した婚姻については、当事者の配偶者又は前配偶者も、その取消しを請求することができる。
+第七百三十一条、第七百三十二条及び第七百三十四条から第七百三十六条までの規定に違反した婚姻は、各当事者、その親族又は検察官から、その取消しを家庭裁判所に請求することができる。ただし、検察官は、当事者の一方が死亡した後は、これを請求することができない。
+第七百三十二条の規定に違反した婚姻については、前婚の配偶者も、その取消しを請求することができる。

女性の再婚禁止期間に違反した婚姻について、一定の期間が過ぎたり出産したりした場合には取り消しを求められなくなる、という例外を定めた規定

AI要約

この条文はもともと、女性の再婚禁止期間(第733条)に違反した結婚について、離婚などから100日経過したり、再婚後に出産したりした場合は、その結婚の取り消しを求めることができなくなるという例外を定めていました。今回の改正で女性の再婚禁止期間そのものを定めていた第733条が削除されたため、それに関連するこの第746条も不要となり、削除されました。これは、生まれた子の父親を決めるルール(嫡出推定制度)が見直され、再婚禁止期間を設ける必要がなくなったことに伴う変更です。

第七百三十三条第七百四十条第七百四十三条第七百四十四条第七百七十二条
@@ -1,2 +1,2 @@
第七百四十六条
-第七百三十三条の規定に違反した婚姻は、前婚の解消若しくは取消しの日から起算して百日を経過し、又は女が再婚後に出産したときは、その取消しを請求することができない。
+削除

生まれた子どもの法律上の父親を、母親の婚姻関係に基づいて推定するルール

AI要約

従来は婚姻中に妊娠した子のみを夫の子と推定していましたが、改正後は婚姻前に妊娠していても婚姻後に生まれた子も夫の子と推定されるようになりました。また、女性の再婚禁止期間が廃止されたことに伴い、妊娠から出産までの間に複数回結婚していた場合は、出産に最も近い時点の結婚(直近の婚姻)における夫の子と推定する新しいルールが設けられました。さらに、嫡出否認によって父が否定された場合に、次にどの婚姻を基準に父を再定義するかについての規定も追加されています。

第七百七十四条第七百七十三条第七百八十三条第七百七十八条の四
@@ -1,3 +1,5 @@
第七百七十二条
-妻が婚姻中に懐胎した子は、夫の子と推定する。
-婚姻の成立の日から二百日を経過した後又は婚姻の解消若しくは取消しの日から三百日以内に生まれた子は、婚姻中に懐胎したものと推定する。
+妻が婚姻中に懐胎した子は、当該婚姻における夫の子と推定する。女が婚姻前に懐胎した子であって、婚姻が成立した後に生まれたものも、同様とする。
+前項の場合において、婚姻の成立の日から二百日以内に生まれた子は、婚姻前に懐胎したものと推定し、婚姻の成立の日から二百日を経過した後又は婚姻の解消若しくは取消しの日から三百日以内に生まれた子は、婚姻中に懐胎したものと推定する。
+第一項の場合において、女が子を懐胎した時から子の出生の時までの間に二以上の婚姻をしていたときは、その子は、その出生の直近の婚姻における夫の子と推定する。
+前三項の規定により父が定められた子について、第七百七十四条の規定によりその父の嫡出であることが否認された場合における前項の規定の適用については、同項中「直近の婚姻」とあるのは、「直近の婚姻(第七百七十四条の規定により子がその嫡出であることが否認された夫との間の婚姻を除く。)」とする。

婚姻が無効な形で行われた女性が出産した子について、通常の推定規定で父を決められない場合に裁判所が父を定めるというルール

AI要約

改正前は「再婚禁止期間(離婚後100日以内の再婚禁止)に違反して再婚した女性」が出産した場合を対象としていましたが、この再婚禁止期間の規定(第七百三十三条)自体が削除されたため、改正後は「重婚(既に配偶者がいるのに重ねて結婚すること)を禁止する規定(第七百三十二条)に違反して婚姻した女性」が出産した場合を対象とするよう変更されました。これは女性の再婚禁止期間制度が廃止されたことに伴う条文の整理です。

第七百三十二条第七百三十三条第七百七十二条
@@ -1,2 +1,2 @@
第七百七十三条
-第七百三十三条第一項の規定に違反して再婚をした女が出産した場合において、前条の規定によりその子の父を定めることができないときは、裁判所が、これを定める。
+第七百三十二条の規定に違反して婚姻をした女が出産した場合において、前条の規定によりその子の父を定めることができないときは、裁判所が、これを定める。

婚姻中に生まれた子について、その子が夫(父)の子であるという推定を、誰が・どのような場合に否定できるかを定める条文

AI要約

改正前は夫だけが『この子は自分の子ではない』と否認できましたが、改正後は父だけでなく、子自身、そして子のために母・養親・未成年後見人も否認権を行使できるようになりました。さらに、母自身も原則として否認できるようになり(ただし子の利益を害する場合は除く)、離婚後300日以内に生まれた子などについては、前の夫(前夫)も一定の条件のもとで否認できるようになりました。また、前夫の否認によって新たに父と定められた者は、自分から嫡出否認をすることはできないとする規定も追加されました。

第七百七十二条第七百七十五条第七百七十六条第七百七十七条第七百七十八条第七百七十八条の二第七百七十八条の三第七百七十八条の四
@@ -1,2 +1,6 @@
第七百七十四条
-第七百七十二条の場合において、夫は、子が嫡出であることを否認することができる。
+第七百七十二条の規定により子の父が定められる場合において、父又は子は、子が嫡出であることを否認することができる。
+前項の規定による子の否認権は、親権を行う母、親権を行う養親又は未成年後見人が、子のために行使することができる。
+第一項に規定する場合において、母は、子が嫡出であることを否認することができる。ただし、その否認権の行使が子の利益を害することが明らかなときは、この限りでない。
+第七百七十二条第三項の規定により子の父が定められる場合において、子の懐胎の時から出生の時までの間に母と婚姻していた者であって、子の父以外のもの(以下「前夫」という。)は、子が嫡出であることを否認することができる。ただし、その否認権の行使が子の利益を害することが明らかなときは、この限りでない。
+前項の規定による否認権を行使し、第七百七十二条第四項の規定により読み替えられた同条第三項の規定により新たに子の父と定められた者は、第一項の規定にかかわらず、子が自らの嫡出であることを否認することができない。

「嫡出否認の訴え」を誰に対して起こすべきかを定めるルール

AI要約

以前は父だけが子または母を訴えて嫡出否認できると定められていましたが、改正により母や前夫も嫡出否認権を持つようになったため、否認権を持つ人ごとに訴えの相手方を細かく定めるようになりました。具体的には、父の否認権は子または母に対して、子の否認権と母の否認権は父に対して、前夫の否認権は父と子(または母)に対して行使することになります。また、母がいない場合に特別代理人を選任する規定も、対象となる否認権の種類に応じて整理されました。

第七百七十二条第七百七十四条第七百七十六条第七百七十七条第七百七十八条
@@ -1,2 +1,11 @@
第七百七十五条
-前条の規定による否認権は、子又は親権を行う母に対する嫡出否認の訴えによって行う。親権を行う母がないときは、家庭裁判所は、特別代理人を選任しなければならない。
+次の各号に掲げる否認権は、それぞれ当該各号に定める者に対する嫡出否認の訴えによって行う。
+ 一
+ 父の否認権子又は親権を行う母
+ 二
+ 子の否認権父
+ 三
+ 母の否認権父
+ 四
+ 前夫の否認権父及び子又は親権を行う母
+前項第一号又は第四号に掲げる否認権を親権を行う母に対し行使しようとする場合において、親権を行う母がないときは、家庭裁判所は、特別代理人を選任しなければならない。

生まれた子どもが自分の嫡出子であると一度認めた場合に、その事実を後から否認する権利を失うことを定めた条文

AI要約

改正前は『夫』が子の嫡出であることを認めた場合にのみ否認権を失うとされていましたが、改正後は『父又は母』が対象となり、父と母それぞれが独立して嫡出であることを承認した場合に、それぞれの否認権を失うと定められました。これは、これまで夫にしか認められていなかった嫡出否認権が、法改正により母にも認められるようになったことに対応する変更です。

第七百七十四条第七百七十二条第七百七十五条第七百七十七条
@@ -1,2 +1,2 @@
第七百七十六条
-夫は、子の出生後において、その嫡出であることを承認したときは、その否認権を失う。
+父又は母は、子の出生後において、その嫡出であることを承認したときは、それぞれその否認権を失う。

「嫡出否認の訴え(法律上の父子関係を否定する裁判)」をいつまでに起こさなければならないかを定めるルール

AI要約

改正前は「夫」だけが、子の出生を知ってから1年以内に嫡出否認の訴えを起こせるという厳しい制限でした。改正後は、訴えを起こせる人が「父」「子」「母」「前の夫」の4者に広がり、それぞれ期間の起算点は異なるものの、いずれも3年以内に訴えを起こせるようになりました。これにより、期間が1年から3年に延長されるとともに、子や母などにも訴えを起こす権利(否認権)が認められることになりました。

第七百七十二条第七百七十四条第七百七十五条第七百七十六条第七百七十八条第七百七十八条の二
@@ -1,2 +1,10 @@
第七百七十七条
-嫡出否認の訴えは、夫が子の出生を知った時から一年以内に提起しなければならない。
+次の各号に掲げる否認権の行使に係る嫡出否認の訴えは、それぞれ当該各号に定める時から三年以内に提起しなければならない。
+ 一
+ 父の否認権父が子の出生を知った時
+ 二
+ 子の否認権その出生の時
+ 三
+ 母の否認権子の出生の時
+ 四
+ 前夫の否認権前夫が子の出生を知った時

再婚後に生まれた子について嫡出否認がされた場合に、関係者が嫡出否認の訴えを起こせる期間の特別ルールを定めた条文

AI要約

改正前は「夫が成年被後見人である場合の否認権行使期間の起算点」を定めた規定でしたが、改正後は全く異なる内容に変わりました。改正後は、女性が再婚した後に生まれた子について(民法772条3項により)父が定められ、その後嫡出であることが否認された場合に、新たに父と定められた者・子・母・前の夫それぞれが、前の否認裁判の確定を知った時から1年以内に嫡出否認の訴えを起こさなければならないという特則を定めています。これは、原則として否認の訴えは3年以内(777条)とされているところ、再婚後の子に関する複雑なケースについて別途1年という短い期間を設けたものです。

第七百七十二条第七百七十四条第七百七十七条第七百七十八条の二第七百七十八条の四
@@ -1,2 +1,10 @@
第七百七十八条
-夫が成年被後見人であるときは、前条の期間は、後見開始の審判の取消しがあった後夫が子の出生を知った時から起算する。
+第七百七十二条第三項の規定により父が定められた子について第七百七十四条の規定により嫡出であることが否認されたときは、次の各号に掲げる否認権の行使に係る嫡出否認の訴えは、前条の規定にかかわらず、それぞれ当該各号に定める時から一年以内に提起しなければならない。
+ 一
+ 第七百七十二条第四項の規定により読み替えられた同条第三項の規定により新たに子の父と定められた者の否認権新たに子の父と定められた者が当該子に係る嫡出否認の裁判が確定したことを知った時
+ 二
+ 子の否認権子が前号の裁判が確定したことを知った時
+ 三
+ 母の否認権母が第一号の裁判が確定したことを知った時
+ 四
+ 前夫の否認権前夫が第一号の裁判が確定したことを知った時

父親が、まだ生まれていないお腹の中の子どもを自分の子として認める(認知する)ことができるルールを定めた条文

AI要約

これまでは胎児を父が認知した場合、そのまま認知は有効でした。改正後は、胎児が生まれた際に、母の夫の子と推定される場合(第七百七十二条のルール)には、胎児認知の効力は生じないという例外が新しく追加されました。つまり、生まれた子について法律上の父が別のルールで決まる場合は、胎児認知は無効になるということです。

第七百七十二条
@@ -1,3 +1,4 @@
第七百八十三条
父は、胎内に在る子でも、認知することができる。この場合においては、母の承諾を得なければならない。
+前項の子が出生した場合において、第七百七十二条の規定によりその子の父が定められるときは、同項の規定による認知は、その効力を生じない。
父又は母は、死亡した子でも、その直系卑属があるときに限り、認知することができる。この場合において、その直系卑属が成年者であるときは、その承諾を得なければならない。

父親が子を認知したことに対して、その認知が事実に反する場合に無効を主張できる人・期間・条件を定めるルール

AI要約

改正前は「子その他の利害関係人」が単に認知に反対の事実を主張できるとするだけの簡単な規定でした。改正後は、認知の無効を訴えることができる人を「子・その法定代理人」「認知をした父親」「子の母」の3種類に分け、それぞれ認知を知った時(または認知の時)から7年以内という期限を設けました。また、子自身については、認知した父親と3年以上同居していなかった場合は21歳まで無効を主張できる特例を設け、逆に父親の利益を著しく害する場合はこれを制限する規定や、認知が無効になっても父親が払った養育費は返さなくてよいという規定も新たに加わりました。

第七百八十三条
@@ -1,2 +1,11 @@
第七百八十六条
-子その他の利害関係人は、認知に対して反対の事実を主張することができる。
+次の各号に掲げる者は、それぞれ当該各号に定める時(第七百八十三条第一項の規定による認知がされた場合にあっては、子の出生の時)から七年以内に限り、認知について反対の事実があることを理由として、認知の無効の訴えを提起することができる。ただし、第三号に掲げる者について、その認知の無効の主張が子の利益を害することが明らかなときは、この限りでない。
+ 一
+ 子又はその法定代理人子又はその法定代理人が認知を知った時
+ 二
+ 認知をした者認知の時
+ 三
+ 子の母子の母が認知を知った時
+子は、その子を認知した者と認知後に継続して同居した期間(当該期間が二以上あるときは、そのうち最も長い期間)が三年を下回るときは、前項(第一号に係る部分に限る。)の規定にかかわらず、二十一歳に達するまでの間、認知の無効の訴えを提起することができる。ただし、子による認知の無効の主張が認知をした者による養育の状況に照らして認知をした者の利益を著しく害するときは、この限りでない。
+前項の規定は、同項に規定する子の法定代理人が第一項の認知の無効の訴えを提起する場合には、適用しない。
+第一項及び第二項の規定により認知が無効とされた場合であっても、子は、認知をした者が支出した子の監護に要した費用を償還する義務を負わない。

子ども自身が嫡出否認の訴え(法律上の父子関係を否定する裁判)を起こせる期間について、通常より長く認める特別なルールを定めた条文

AI要約

この条文は新しく追加されたもので、子どもを保護するための特則です。第一に、子どもの出生後、親権者や後見人が長期間不在だった場合には、その状態が解消されてから6か月間は嫡出否認の訴えを起こせるとしています。第二に、実の父親と一緒に暮らした期間が通算して3年に満たない子どもについては、原則の期間制限(3年や1年)にかかわらず、21歳になるまで自分自身で嫡出否認の訴えを起こせるようにしました。ただし、これによって育ての父親の利益が著しく害される場合は認められません。また、女性の再婚禁止期間に関する特殊なケース(777条4号・778条4号)については、子が成人した後は訴えを起こせないという制限も設けられています。

第七百七十七条第七百七十八条第七百七十四条第七百七十二条
+第七百七十八条の二
+第七百七十七条(第二号に係る部分に限る。)又は前条(第二号に係る部分に限る。)の期間の満了前六箇月以内の間に親権を行う母、親権を行う養親及び未成年後見人がないときは、子は、母若しくは養親の親権停止の期間が満了し、親権喪失若しくは親権停止の審判の取消しの審判が確定し、若しくは親権が回復された時、新たに養子縁組が成立した時又は未成年後見人が就職した時から六箇月を経過するまでの間は、嫡出否認の訴えを提起することができる。
+子は、その父と継続して同居した期間(当該期間が二以上あるときは、そのうち最も長い期間)が三年を下回るときは、第七百七十七条(第二号に係る部分に限る。)及び前条(第二号に係る部分に限る。)の規定にかかわらず、二十一歳に達するまでの間、嫡出否認の訴えを提起することができる。ただし、子の否認権の行使が父による養育の状況に照らして父の利益を著しく害するときは、この限りでない。
+第七百七十四条第二項の規定は、前項の場合には、適用しない。
+第七百七十七条(第四号に係る部分に限る。)及び前条(第四号に係る部分に限る。)に掲げる否認権の行使に係る嫡出否認の訴えは、子が成年に達した後は、提起することができない。

嫡出であることが後から否定された子どもが、それまで育ててもらった養育費を返す必要がないことを定めるルール

AI要約

今回新しく設けられた条文です。DNA鑑定などにより『実は自分の子ではなかった』として嫡出(ちゃくしゅつ)が否認され、法律上の父子関係がなくなった場合でも、それまで父親だった人が子どものために支払ってきた養育費(生活費や教育費など)を、子どもが後から返還する義務は負わないことを明確にしました。これにより、父子関係が否定されたことで子どもが経済的に不利益を被ることを防いでいます。

第七百七十四条第七百七十二条
+第七百七十八条の三
+第七百七十四条の規定により嫡出であることが否認された場合であっても、子は、父であった者が支出した子の監護に要した費用を償還する義務を負わない。

嫡出否認によって新たに父が定められた結果、相続人となった人が、既に他の相続人が遺産分割を終えていた場合にどのような請求ができるかを定める規定

AI要約

この条文は今回新しく追加されたものです。亡くなった人について、後から『嫡出否認』の手続きにより本当の父親が別の人だと判明し、その人(新たに父と定められた人)が相続人になるケースを想定しています。この場合、他の相続人が既に遺産分けを済ませてしまっていたときは、新たに相続人となった人は、遺産そのものの分配を求めることはできず、代わりにお金(価額)での支払いを請求することしかできない、というルールが新設されました。これは、既に済んだ遺産分割をやり直す混乱を避けるための規定です。

第七百七十四条第七百七十二条
+第七百七十八条の四
+相続の開始後、第七百七十四条の規定により否認権が行使され、第七百七十二条第四項の規定により読み替えられた同条第三項の規定により新たに被相続人がその父と定められた者が相続人として遺産の分割を請求しようとする場合において、他の共同相続人が既にその分割その他の処分をしていたときは、当該相続人の遺産分割の請求は、価額のみによる支払の請求により行うものとする。

附則

5いつから適用されるか・経過措置・特例など