著作権法第114条(損害の額の推定等)
第八章 権利侵害
現在の条文(2026年9月22日時点)
著作権者等が故意又は過失により自己の著作権、出版権又は著作隣接権を侵害した者(以下この項において「侵害者」という。)に対しその侵害により自己が受けた損害の賠償を請求する場合において、侵害者がその侵害の行為によつて作成された物(第一号において「侵害作成物」という。)を譲渡し、又はその侵害の行為を組成する公衆送信(自動公衆送信の場合にあつては、送信可能化を含む。同号において「侵害組成公衆送信」という。)を行つたときは、次の各号に掲げる額の合計額を、著作権者等が受けた損害の額とすることができる。 一 譲渡等数量(侵害者が譲渡した侵害作成物及び侵害者が行つた侵害組成公衆送信を公衆が受信して作成した著作物又は実演等の複製物(以下この号において「侵害受信複製物」という。)の数量をいう。次号において同じ。)のうち販売等相応数量(当該著作権者等が当該侵害作成物又は当該侵害受信複製物を販売するとした場合にその販売のために必要な行為を行う能力に応じた数量をいう。同号において同じ。)を超えない部分(その全部又は一部に相当する数量を当該著作権者等が販売することができないとする事情があるときは、当該事情に相当する数量(同号において「特定数量」という。)を控除した数量)に、著作権者等がその侵害の行為がなければ販売することができた物の単位数量当たりの利益の額を乗じて得た額 二 譲渡等数量のうち販売等相応数量を超える数量又は特定数量がある場合(著作権者等が、その著作権、出版権又は著作隣接権の行使をし得たと認められない場合を除く。)におけるこれらの数量に応じた当該著作権、出版権又は著作隣接権の行使につき受けるべき金銭の額に相当する額
2著作権者、出版権者又は著作隣接権者が故意又は過失によりその著作権、出版権又は著作隣接権を侵害した者に対しその侵害により自己が受けた損害の賠償を請求する場合において、その者がその侵害の行為により利益を受けているときは、その利益の額は、当該著作権者、出版権者又は著作隣接権者が受けた損害の額と推定する。
3著作権者、出版権者又は著作隣接権者は、故意又は過失によりその著作権、出版権又は著作隣接権を侵害した者に対し、その著作権、出版権又は著作隣接権の行使につき受けるべき金銭の額に相当する額を自己が受けた損害の額として、その賠償を請求することができる。
4著作権者又は著作隣接権者は、前項の規定によりその著作権又は著作隣接権を侵害した者に対し損害の賠償を請求する場合において、その著作権又は著作隣接権が著作権等管理事業法第二条第一項に規定する管理委託契約に基づき著作権等管理事業者が管理するものであるときは、当該著作権等管理事業者が定める同法第十三条第一項に規定する使用料規程のうちその侵害の行為に係る著作物等の利用の態様について適用されるべき規定により算出したその著作権又は著作隣接権に係る著作物等の使用料の額(当該額の算出方法が複数あるときは、当該複数の算出方法によりそれぞれ算出した額のうち最も高い額)をもつて、前項に規定する金銭の額とすることができる。
5裁判所は、第一項第二号及び第三項に規定する著作権、出版権又は著作隣接権の行使につき受けるべき金銭の額に相当する額を認定するに当たつては、著作権者等が、自己の著作権、出版権又は著作隣接権の侵害があつたことを前提として当該著作権、出版権又は著作隣接権を侵害した者との間でこれらの権利の行使の対価について合意をするとしたならば、当該著作権者等が得ることとなるその対価を考慮することができる。
6第三項の規定は、同項に規定する金額を超える損害の賠償の請求を妨げない。この場合において、著作権、出版権又は著作隣接権を侵害した者に故意又は重大な過失がなかつたときは、裁判所は、損害の賠償の額を定めるについて、これを参酌することができる。
この条文は何をする条文か
著作権・出版権・著作隣接権を侵害された権利者が、損害賠償を請求する際の損害額の算定方法(推定・みなし規定)を定めた条文
この条文の改正履歴
2024年1月1日施行・著作権法の一部を改正する法律
改正前は、侵害者が販売した物の数量に権利者の単位利益額を掛けて損害額とし、権利者の販売能力を超える分は控除するだけの仕組みでした。改正後は、権利者の販売能力の範囲内の数量分は従来通り単位利益額で計算する一方、その能力を超える数量や販売できなかった事情がある数量については、ライセンス料相当額(使用料相当額)を上乗せして請求できるようになりました。さらに、裁判所がこの使用料相当額を算定する際には、侵害があったことを前提に当事者間で対価について合意したとすれば得られたであろう金額を考慮できる旨の規定も新設され、より権利者に手厚い賠償額算定が可能になりました。
2024年1月1日改正直後の条文についての説明: 著作権・出版権・著作隣接権を侵害された権利者が、損害賠償を請求する際の損害額の算定方法(推定・みなし規定)を定めた条文
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