刑法第159条(私文書偽造等)
第二編 罪 › 第十七章 文書偽造の罪
現在の条文(2026年10月26日時点)
行使の目的で、次の各号に掲げるいずれかの行為をした者は、三月以上五年以下の拘禁刑に処する。 一 他人の印章等を使用して権利、義務若しくは事実証明に関する文書等を偽造し、又は偽造した他人の印章等を使用して権利、義務若しくは事実証明に関する文書等を偽造する行為 二 他人の電磁的記録印章等を使用して権利、義務若しくは事実証明に関する電磁的記録文書等を偽造し、又は偽造した他人の電磁的記録印章等を使用して権利、義務若しくは事実証明に関する電磁的記録文書等を偽造する行為
2他人が押印し若しくは署名した権利、義務若しくは事実証明に関する文書等又は他人が電磁的記録印章等を使用して作成した権利、義務若しくは事実証明に関する電磁的記録文書等を変造した者も、前項と同様とする。
3前二項に規定するもののほか、権利、義務又は事実証明に関する文書等又は電磁的記録文書等を偽造し、又は変造した者は、一年以下の拘禁刑又は十万円以下の罰金に処する。
この条文は何をする条文か
他人の印鑑やサインを無断で使って、契約書や証明書などの私文書を偽造・変造する行為を処罰する規定
この条文の改正履歴
2025年6月12日施行・情報通信技術の進展等に対応するための刑事訴訟法等の一部を改正する法律
これまでは紙の文書や図画の偽造・変造だけが対象でしたが、改正によりパソコンのデータなど「電磁的記録」で作られた電子文書の偽造・変造も明確に処罰対象として追加されました。また条文の構成が号立てに整理され、紙の文書を使った偽造行為と、電子データを使った偽造行為がそれぞれ別の号で規定される形になりました。これにより、電子印鑑やデジタル署名を悪用した電子文書の偽造にも、紙の文書偽造と同じ刑罰(3月以上5年以下の拘禁刑など)が適用されることが明文化されました。
2025年6月12日改正直後の条文についての説明: 他人の印鑑やサインを無断で使って、契約書や証明書などの私文書を偽造・変造する行為を処罰する規定
当時の関連条文: 第百五十八条、第百五十六条、第百六十一条、第百六十七条
この改正の全体を見る →2025年6月1日施行・刑事訴訟法等の一部を改正する法律/刑法等の一部を改正する法律
条文の内容自体(どんな行為が犯罪になるか、刑の重さの基準)は一切変わっていません。変わったのは刑罰の名称だけで、これまでの『懲役』という呼び方が『拘禁刑』という呼び方に置き換えられました。これは刑法改正により、これまで別々だった懲役(刑務作業が義務)と禁錮(作業なし)が『拘禁刑』という一つの刑に統一されたことに伴う、用語の整理です。
2025年6月1日改正直後の条文についての説明: 他人の印鑑やサインを無断で使って契約書などの私文書を偽造・変造する行為(私文書偽造罪)を処罰する規定
当時の関連条文: 第十二条、第九条
この改正の全体を見る →