刑法
情報通信技術の進展等に対応するための刑事訴訟法等の一部を改正する法律
文書偽造・印章偽造の罪等における電磁的記録の処罰対象化
この改正は、刑法の文書偽造・印章偽造に関する罪について、紙の文書や印章だけでなく、電磁的記録(電子データ)による偽造・変造・不正使用も処罰対象とすることを明確にするものです。公文書や私文書の偽造罪、虚偽診断書作成罪、印章・記号の偽造罪などに「電磁的記録文書等」「電磁的記録印章等」といった概念が新設され、従来の紙媒体と同様の規制が電子データにも及ぶようになります。また、公務員が職務で使用する電子計算機(コンピュータ)やその電磁的記録を損壊したり、虚偽の情報・不正な指令を与えて正常な動作を妨げたりする行為を処罰する新しい罪(第九十五条の二)も設けられました。あわせて、別の改正法(刑法等の一部を改正する法律)との施行時期の調整規定も設けられています。
主な変更点
公務所・公務員が作成すべき電磁的記録文書等を偽造・変造する行為が、紙の文書偽造と同様に処罰対象として明記されました。虚偽公文書作成罪(第百五十六条)にも同様に電磁的記録文書等が含まれるようになりました。
免状・鑑札・旅券の全部または一部として用いられる電磁的記録に不実の記録をさせる行為が新たに処罰対象となりました。また、第百五十九条第二項の電磁的記録を人の事務処理の用に供する行為についても行使罪の対象に加えられました。
他人の電磁的記録印章等を使用して権利・義務・事実証明に関する電磁的記録文書等を偽造する行為が、紙の私文書偽造と同様に処罰対象として明記されました。変造行為についても同様の規定が追加されました。
医師が公務所に提出すべき電磁的記録文書等(診断書・検案書・死亡証書の全部または一部)に虚偽の記録をする行為が処罰対象に追加されました。これを行使する行為も同様に処罰されます。
公務所・公務員や他人の印章・署名に加え、電磁的記録印章等(電子的な印章・署名)の偽造・不正使用も処罰対象となりました。公務所の記号についても電磁的記録記号が追加されました。
公務員が職務で使用する電子計算機や電磁的記録を損壊したり、虚偽の情報・不正な指令を与えたりして、本来の使用目的に沿わない動作をさせる行為を新たに処罰する規定が設けられました。
本改正の一部規定の施行日が、別の『刑法等の一部を改正する法律』の施行日より前になる場合に備え、拘禁刑の呼称を懲役とする読み替えなど、経過的な適用方法が定められました。
国民生活への影響
電子データによる文書偽造や印章の不正使用が、紙の文書と同様に明確に刑法で処罰されるようになり、電子申請や電子契約など電子的な手続きの信頼性が法的に保護されます。また、行政機関のコンピュータシステムへの妨害行為も明文で処罰対象となり、公務のデジタル化に伴うリスクに対応した法整備となります。
改正の背景
情報通信技術の進展により、紙の文書に代わって電磁的記録(電子データ)を用いた手続きが広がる中、従来の刑法の文書偽造・印章偽造の規定が紙媒体を前提としていたため、電子的な偽造行為や公務用コンピュータへの妨害行為に対応する必要が生じたことが背景にあります。
smart_toyこの概要はClaude AI(Anthropic社)により自動生成されています。 誤りや省略が含まれる可能性があります。正確な内容はe-Gov法令検索の原文をご確認ください。
本則の改正
11条法律の中身が変わった条文公務所や公務員が作成すべき文書・図画を偽造・変造する行為を処罰する規定
AI要約これまで紙の文書や図画の偽造・変造のみを対象としていましたが、改正により電磁的記録(電子データ)を使った公務所・公務員の印章・署名や、電子的に作成される公文書(電磁的記録文書等)の偽造・変造も同様に処罰対象として明記されました。具体的には、電子印章や電子署名を使った電子公文書の偽造行為(二号)が新設され、紙の文書と電子データの両方が条文上区別して扱われるようになっています。
公務員が職務上、虚偽の内容の公文書を作成したり、公文書を不正に書き換えたりした場合の処罰について定めた条文
AI要約従来は紙の「文書」や「図画」、「印章」「署名」のみを対象としていましたが、改正により電子データで作成された文書(電磁的記録文書等)や電子的な印章(電磁的記録印章等)も処罰の対象に明記されました。これにより、公務員がパソコンなどで作成した電子的な公文書を偽造・改ざんした場合にも、紙の文書と同様に処罰できるようになりました。
公務員に嘘の申立てをして、登記簿や戸籍簿、免状・鑑札・旅券などに事実と異なる内容を記載・記録させる行為を処罰する規定
AI要約改正前は免状・鑑札・旅券について「紙に書かれた不実の記載」のみが処罰対象でしたが、改正後はこれらが電子化された場合、つまりICカードなどの電磁的記録として作られている免状・鑑札・旅券に嘘の内容を記録させる行為も、同じように処罰されることが明記されました。これにより、紙の文書だけでなく電子データ化された証明書類についても、虚偽の申立てによる不正記載・記録を防ぐ規定が整備されました。
偽造・変造された公文書や電磁的記録を実際に使用した人を、偽造した本人と同じ重さの刑で処罰するルール
AI要約法律の用語が整理され、「文書若しくは図画」は「文書等」に、「電磁的記録」を使った場合の表現も「電磁的記録文書等」という統一的な言葉に置き換えられました。また、第百五十七条第二項(免状・鑑札・旅券などに関する虚偽の電磁的記録)を人の事務処理に使った場合も、新たに処罰対象として明記されました。これにより、デジタル化された偽造文書の行使についても、紙の文書と同様にしっかり処罰できるようになっています。
他人の印鑑やサインを無断で使って、契約書や証明書などの私文書を偽造・変造する行為を処罰する規定
AI要約これまでは紙の文書や図画の偽造・変造だけが対象でしたが、改正によりパソコンのデータなど「電磁的記録」で作られた電子文書の偽造・変造も明確に処罰対象として追加されました。また条文の構成が号立てに整理され、紙の文書を使った偽造行為と、電子データを使った偽造行為がそれぞれ別の号で規定される形になりました。これにより、電子印鑑やデジタル署名を悪用した電子文書の偽造にも、紙の文書偽造と同じ刑罰(3月以上5年以下の拘禁刑など)が適用されることが明文化されました。
医師が役所に提出する診断書・検案書・死亡証書にうそを書いた場合の罰則を定めるルール
AI要約これまでは紙の診断書・検案書・死亡証書にうその記載をした場合だけが処罰対象でしたが、改正によりパソコンなどで作成される電子データ(電磁的記録)の診断書等に虚偽の内容を記録した場合も同じように処罰されることになりました。つまり、紙の書類だけでなく電子データで作成された診断書等にうそを記録した医師も、同じ罰則(3年以下の拘禁刑または30万円以下の罰金)が科されるようになったということです。
偽造・変造された文書や、虚偽の記載がされた診断書等を実際に使用(行使)した場合の処罰について定める規定
AI要約従来は紙の「文書又は図画」のみを対象としていましたが、改正により電子データで作成された診断書等(電磁的記録文書等)を使用した場合も同じように処罰されることが明記されました。また、虚偽の「記載」だけでなく、電子データへの虚偽の「記録」をした場合も対象に含まれるようになりました。これにより、紙の文書だけでなくデジタル化された診断書等の不正使用にも対応できるようになっています。
国や公務員が使う印鑑やサインを偽造したり不正に使ったりする行為を処罰するルール
AI要約これまでは『印章(ハンコ)』と『署名(サイン)』という紙の世界を前提にした言葉だけが条文に書かれていましたが、改正後はこれらをまとめた『印章等』という言葉に加えて、電子データとしての印影や電子署名を意味する『電磁的記録印章等』という概念が新しく追加されました。これにより、紙のハンコやサインだけでなく、電子的に作られた公的な印章・署名を偽造したり不正利用したりする行為も、はっきりと処罰の対象になることが明確になりました。
行政機関が使う「記号」(証明や許可を示すマーク)を偽造したり不正使用したりする行為を処罰するルール
AI要約これまでは紙などに押される物理的な「記号」の偽造・不正使用のみが処罰対象でしたが、改正によりデータ(電磁的記録)として表示される記号、いわゆる「電磁的記録記号」も新たに処罰対象に加わりました。これにより、電子データ化された行政機関の証明マークを偽造・不正使用した場合も、従来の物理的な記号偽造と同じ刑罰(3年以下の拘禁刑)が科されることになります。
他人の印鑑やサインを勝手に偽造したり、不正に使ったりする行為を処罰する規定です。
AI要約これまでは紙の「印章」や「署名」の偽造・不正使用のみが対象でしたが、改正により電子データとして記録された印影やサイン(電磁的記録印章等)の偽造・不正使用も処罰対象に加わりました。また、用語が「印章」から「印章等」に変更され、印影そのものだけでなく印影が表示される媒体も含む形に整理されています。これにより、電子印鑑や電子署名データの偽造・なりすまし使用にも刑法が及ぶようになりました。
公務員が仕事で使うコンピューターを壊したり、不正な命令を与えたりして正常に動かなくする行為を処罰する規定
AI要約これまで存在しなかった条文が新しく追加されました。公務員が職務のために使っているコンピューターやその記録データを壊したり、コンピューターに嘘の情報や不正な命令を入力したりして、本来の目的通りに動作させなかったり、目的に反する動作をさせたりした人を処罰する内容です。罰則は3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金です。これは民間の業務で使うコンピューターを対象とした既存の『電子計算機損壊等業務妨害罪』の、公務用コンピューターに関するバージョンにあたります。